夢と希望 鎌倉時代の優れた人 明恵上人
参考文献:愛蔵版明恵上人 白洲雅子著 新潮社
明恵はいまの和歌山県有田川町に生まれました。幼くして両親をなくし、京都に上がって仏道修行に入りました。熱心な修行で頭角を現し、時には弟子を和歌山に連れて帰り、ともに修行されました。明恵没後、有田に点在する修行の地に弟子の手で砂岩づくりの卒塔婆が立てられ、今も残っています。現地に行って確認しました。
明恵で特筆すべきは「黄金色に輝く獅子の背に乗って文殊菩薩が示現した」神秘体験です。かれは人々に話をする時、よく「その示現があったので皆の前でも話せるようになった」と言っていたそうです。体験した小さな建物があったところにも卒塔婆が建てられていました。
※ シャカも「明けの明星」を見たあと、サトリの自信をえて、サンガ形成に向かわ
れます。
明恵自身、シャカへのあこがれが強く、唐天竺へ行くことを熱望していたという
ことです。
※ わたしとしては明恵上人の神秘体験は「明けの明星」+「文殊菩薩」だと考えた
いのです。
明恵上人は華厳宗の菩薩として文殊菩薩があらわれたのだと思います。明星は実
際に見るとかなりの大きさです。黄金色でもあります。黄金色に輝く獅子に思わ
れても不思議ではありません。
明恵上人は悟った人の名前を書きこんだ「法系図」を残されています。直弟子数名、その中には弟子、孫弟子を育てた人もいてなかなかの法系図です。合計十数名の名前が載っていました。
明恵さんの並外れたやさしさが有名です。
それが坐禅指導に幸いしたのかもしれません。